見どころ紹介

(1)浅草寺町散歩(東上野五丁目−仲見世1.9Km)

●源空寺
 江戸時代に活躍した有名人の墓が多い。代表的なものに、寛政暦を作った天文学者高橋至時、その弟子でわが国初の実測地図を作った伊能忠敬、西洋画の画風をとりいれた江戸末期の画家谷文晁、旗本と対抗した侠客、幡随院長兵衡とその妻の墓などがある。

●曹源寺
 河童大明神の小堂と合羽川太郎の墓があることから俗にかつぱ寺と呼ばれている。雨合羽商の川太郎(本名喜八)は、約180年前にこのあたりが低地でたびたび水害に襲われるのを防ぐために排水工事を行った人。この工事を近くの隅田川の河童が助けたという伝説がある。

●玉川兄弟の墓
 承応2年(1653)、幕府は多摩川の水を江戸市中に引き入れる上水道の建設を玉川庄右衛門・漬右衛門兄弟に命じた。難工事の末、約8ヶ月後に全長約43kmもの玉川上水が完成した。聖徳寺にはこの玉川兄弟の墓がある。

●正定寺
 浄土宗の寺院。境内には島田虎之助の墓がある。虎之助は直心影流島田派の剣客。男谷精一郎、大石進とならび幕末天下の三剣豪といわれた。天保14年(1843)に浅草新堀に開いた道場には少年時代の勝海舟が通っていたという。

●誓教寺
 浅草で死んだ葛飾北斎の墓はこの誓教寺にある。国際的に評価の高い浮世絵師にふさわしく、門前には英文の説明文が立っている。墓標には「画狂老人卍墓」とあり、辞世の句が刻まれている。

●善照寺
 空襲で焼野原になった浅草の寺々は、戦後、様々な姿で再建された。白井晟一によつて設計された善照寺もその一つ。簡潔で気品のある建築で有名である。境内には、江戸後期の国学者清水浜臣の墓や俳諧師谷口楼川の墓がある。

●本法寺(はなし塚)
 太平洋戦争の始まる昭和16年になると、「明烏」や「木乃伊取り」などの艶笑落語など53種の上演が自粛された。同年10月30日には、本法寺境内に「はなし塚」が建立され、落語家たちは禁演となった演題を弔った。やがて戦争が終るとすぐ、禁演落語復活祭を行い、生き埋めにされていた落語を高座に帰し、かわりに軍国調の落語を葬ったという。

●徳本寺
 江戸中期の幕臣佐野善左衛門政言の墓がある。佐野政言は老中田沼意次の子・意知を斬った人物。この事件で恵次は失脚し、佐野政言は切腹した。当時、意次の賄賂政治に不満だった民衆は佐野を政言「世直し大明神」とたてまつったが、彼はただ、貸した佐野家の系図を返さない意知に腹を立てただけ、という説もある。

●東京本願寺
 真宗大谷派の寺院で子院21ヶ寺。天正19年(1591)、京都東本顧寺の教如上人が徳川家康から土地を拝領し、神田に江戸御坊光瑞寺を建てたのがはじまりである。浅草に移ったのは明暦6年(1660)で、現在の本堂は昭和35年に再建されたもの。

●永見寺
 享保年間(1716〜1736)に河東節の名手とうたわれた吉原の玉菊の墓で有名だが、実際にはその名を襲名した別人の墓らしい。彼女を記念して新盆に切子燈籠を下げる玉菊燈籠というしきたりが吉原にはあったという。

●等光寺
 明治45年(1912)に27歳で死去した石川啄木は親友土岐善麿の伯父が住職だったこの寺に一時葬られた。後にそのゆかりで啄木の「浅草の夜のにぎはひに まぎれ入りまぎれ出で来しさびしき心」という歌を刻んだ碑が建てられた。

●久保田万太郎生誕地碑
 久保田万太郎は明治22年(1889)に浅草田原町(現在の雷門一丁目)で生まれた。今はもう生家はないが、昭和52年に「ふるさとの月のつゆけさ仰ぎけり」の句を刻んだ生誕地碑が建てられた。

●久保田万太郎句碑
 駒形どぜうの越後屋の前に建てられた句碑。久保田万太郎の「御輿まつまのどぜう汁すすりけり」という句が刻まれている。

●駒形堂
 天慶5年(942)、安房守平公雅は浅草寺観音堂を造営する際、馬頭観音をまつるために同時にこの駒形堂も建てた。本堂横にある碑は昭和2年に発掘された浅草観音戒殺碑。元禄6年(1693)、浅草観音が出現した隅由川を禁漁区とさだめた時に建立された碑である。

●雷門
 雷門の前を東京本願寺の方に向う現在の浅草通りが、昔の浅草広小路である。浅草に縁の深い作家久保田万太郎は、明治22年(1889)にこの広小路の横丁で生まれ、大正12年(1923)の大震災まで浅草に住んでいた。その頃、雷門はなかった。慶応元年(1865)に焼失した雷門が再建されるのは、やっと昭和35年5月のことである。その間、95年もの間、雷門は名ばかりの存在であった。再建当時、「雷門の実現」に浅草の人々は驚喜したといわれる。再建は松下幸之助氏による。もともと雷門は浅草寺の総門であって、創建は天慶5年(942)といわれている。門の右に風神像、左に雷神像があることから風雷神門と呼ばれていたのが、いつの頃からか雷門となった。

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