見どころ紹介

(4)東高野みち散歩(中村橋駅−石神井公園4.2Km)

●練馬城跡
 練馬城は鎌倉末期、豊島景村によって築かれたという平山城。農業用水としての石神井川水系は豊島氏の権力を支える要であり、流域の重要拠点には他に板橋城や石神井城などが築かれた。現在、豊島園内にわずかにその遺構をとどめている。

●豊島園
 昭和2年、実業家の藤田好三郎氏が練馬城跡の敷地約5万坪(17万5千u)を利用して近代的な子供遊園地を開設したのがはじまり。名称は練馬城主の豊島氏にちなんで命名されたという。

●円光院
 円長法師は密教修行中、腰痛を患い、あらゆる治療をしたが効果なく、一念発起、7日間の断食をして武州大鱗山の聖権現に祈った。すると霊夢に導かれて霊石を得ることができた。さっそくその石で患部を撫でさするとたちまちにして腰痛は快癒。永禄7年(1564)恩に報いて当地へ祠を建立、子聖大権現を招き霊石と共に奉安した。これが同寺の始まりという。

●練馬区立美術館 練馬区貫井1-36-16
 昭和60年の開館以来、主に現代美術の紹介に積極的に取り組んできた練馬区立美術館。美術館では、企画展の開催にあわせて、その展覧会にちなんだ表現方法の講座や、親子鑑賞教室などを開催している。活動の中心といえるのが、企画展“ねりまの美術”の開催である。練馬を創作活動の拠点とした著名作家から若手の在住作家まで、あらゆるジャンルの作品を、身近な地域的視点から紹介する。収蔵作品は、日本の近・現代美術を中心に約1200点。
開館時間:午前10時〜午後6時(入館は5時30分)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日休館)
入館料:常設展/無料 特別展/有料(展示により異なる)
問合せ:03-3577-1821

●東高野山長命寺
 江戸の頃より庶民の霊場として栄えてきた長命寺は、慶長18年(1813)、後北条氏一族の増島重明(後に慶算)の創建と伝わる。その後、甥の重俊が紀州の高野山を模して境内を整えたことから、人々は「東高野」と讃え、寺門に通じる道も東高野道と呼ばれることになった。享保年間(1716〜36)御府内88ヶ所の第17番霊場となったこと、本家の高野山と異なり女人禁制を設けなかったことは同寺の人気をさらに高めることになった。また戦前頃までは、弘法大師忌の4月21日に「花嫁市」が行われ、姑に連れられた近隣の新妻たちが花嫁姿で境内に参拝し、互いを祝福しあったという。今では、子どもたちの身体健全を祈願して稚児行列が行われている。境内には植木市も。

●禅定院
 願行上人による開山で、文政年間に(1818〜30)火災で梵鐘を除く寺域の建造物すべてを焼失したと伝わる。現在の本堂は昭和53年の建立。境内には安政4年(1857)建立の宝篋印塔や寛文13年(1673)の日付のあるキリシタン灯籠がある。

●石神井公園
 三宝寺池と石神井池を中心とする総面積約17万7千uの公園で、昭和34年の開園。石神井池は面積約3万u。三宝寺池は約2万4千u。もとは石神井池と称したが、三宝寺創建以後、これにちなんで三宝寺池と呼ばれるようになったという。池畔には国の天然記念物指定を受ける沼沢植物群落があり、スイレン、ミズオトギリ、カキツバタ等約30種の植物が観察できる。
問合せ:03-3996-3950

●道場寺
 応安5年(1372)石神井城主豊島景村の養子輝時により豊島山道場寺と号される。豊島氏代々の菩提寺で、境内には太田道灌に石神井城を攻め落とされた豊島泰経や一族の墓と伝えられる3基の石塔が残されている。

●三宝寺
 応永元年(1394)の創建。真言宗智山派。豊島氏の祈願寺でもとは下石神井村小仲原にあったが、豊島氏滅亡後、太田道灌により現在地へ移されたと伝わる。江戸時代には徳川家累代の祈願寺となり、数十の末寺を誇ったという。山門は三代将軍家光の来訪にちなみ御成門と称される。

●氷川神社
 応永年間(1394〜1428)石神井地主豊島氏が大宮の武蔵国一の宮氷川神社の分霊を城内に祀ったのがはじまりと伝わる。他の落城後は石神井一帯の総鎮守として信仰を集めた。本社は文政年間(1818〜30)の造営。境内に多くの石灯籠がある。

●石神井川
 小金井ゴルフ場付近に水源をもつ石神井川は、田無市と保谷市(現西東京市)を抜けて練馬区内を東西に蛇行し、北区で隅田川に流入する全長約25kmの一級河川。途中、滝野川や音無川と名前を変える。練馬区内では三宝寺池や富士見池が水源のひとつである。中世に豊島氏による流域開発が行われて以後、近郊農村の貴重な農業用水として利用され、江戸時代には脱穀製粉のため、維新後には手工業用の動力源として水車が設置されたこともあったという。なお、石神井川という地名は、昔、三宝寺池付近の井戸底から青い石棒が出土し、村人たちがこれを石神様として祀ったことに由来すると伝わる。石神井川の名称もこの地名にちなんだものである。

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