●山本有三記念館 三鷹市下連雀2-12-27
大正末期の建造といわれる洋館。山本有三は昭和11年にここへ転居し、『路傍の石』を執筆した。戦争の影の濃い時代の1942(昭和17)年、子供たちに読書の大切さを知ってもらおうと、1階応接間を「ミタカ少国民文庫」として開放した。昭和21年に転居するまでの有三居住当時の雰囲気を取り戻そうと、米軍接収時代に塗られたペンキを剥離、寄木細工の床の磨き出し、マントルピースの修復などの改修を行い、1996(平成8)年11月3日、遺族から寄贈された約1400点の遺品や資料の展示機能を充実させ「三鷹市山本有三記念館」として開館した。
開館時間:9時30分〜16時30分 入館無料 月曜休館(月曜が祝休日の場合は開館し、翌日と翌々日は休館)
問合せ:0422-42-6233
●都立井の頭恩賜公園
井の頭池周辺は幕府直轄地であったが、宮内省の御用林を経て、大正2年(1913)そっくり当時の東京市に下賜された。開園は大正6年。日本最初の郊外公園である。面積は約36万u。井の頭池は別名七井の池とも呼ばれ、湧水箇所が7つと水量も豊富であったが、次第に涸れ、現在はポンプで水を汲み上げている。
●御殿山遺跡
すでに明治時代から遺跡の存在が注目されていたというが、昭和37〜38年の学術調査によって縄文時代の集落跡が確認された。
●井の頭弁財天神社
建久8年(1197)源頼朝が祈願建立したといわれるが他説もある。池周辺には古代宗教における水神一蛇にまつわる伝説も多く、やがてこうした信仰が、インドの水神である弁財天へと受け継がれたのであろう。池が神田上水の水源となってからは江戸市中からの参詣客も増え、石燈籠等の寄進物には日本橋、両国等の地名が見られる。江戸より五里(20km)と行楽にも手ごろな名勝地でもあった。
●都立井の頭自然文化園
開園は戦時下の昭和17年。恩賜公園西側の本園には小動物園や北村西望の作品を展示した彫刻館、水辺の分園には水生物館等がある。秋〜冬にかけては池に飛来する渡り鳥の生態も観察できる。
開園時間:9時30分〜16時30分(入園は16時まで) 月曜日休園
入園料:大人400円 中学生150円 小学生以下・65歳以上は無料
問合せ:0422-46-1100
●風の散歩道
三鷹駅から万助橋までの玉川上水に沿った800mの三鷹のシンボルロード。名称は公募作品から選ばれた。御影石の歩道にベンチ、ポケットパークやモニュメントなど散歩にふさわしい。玉川上水の樹木を夜間ライトアップする。
●吉祥寺四軒寺
安養寺(真言宗)、光専寺(浄土宗)、蓮乗寺(日蓮宗)、月窓寺(曹洞宗)と宗派はバラバラだが、いずれも明暦大火後の都市計画で移転してきた寺院群である。古くは辺り一帯を「四軒寺」と称し現在はバス停にその名を留めている。
●武蔵野八幡宮
吉祥寺村開拓後の最初の検地帳(寛文4年 1664)にすでに記載があり、地元の氏神として信仰を集めてきた。鳥居の大きさと賽銭箱の美しさが目を引く。9月15日の秋の例大祭では、数十の露店が軒を並べ、お神楽も奉納される。
●三鷹の森ジブリ美術館
井の頭公園の南端に平成13年開館。アニメーション制作会社スタジオジブリの作品を中心としたアニメーション展示施設。三鷹市と徳間書店、スタジオジブリ、日本テレビの共同事業で実現した。「建物は、それ自体が一本の映画としてつくりたい」という宮崎駿監督自身がデザインした。カラフルな外観も、周囲の森に映えて楽しい。ここだけで見ることができるオリジナル作品の上映もある。
入館は完全予約制。全国のコンビニエンスストア「ローソン」の端末で、入場引換券を販売。
入館料:大人1000円 中高校生700円 小学生400円 幼児(4歳以上)100円(受付で入場券と引き換え)
開館時間:10時〜18時(入場は10・12・14・16時の4回、入替制ではない)
問合せ:0570-05-5777
●Pokiショップ
三鷹の森ジブリ美術館の開館に合わせて宮崎駿監督がデザインした三鷹のマスコットPoki(ポキ)のお店。キャラクター商品や、新作和菓子「鷹にまん月」を販売しているほか、休憩場所としても使える。ジブリ美術館から三鷹駅へのコミュニティバスの停留所も兼ねている。
●武蔵野芸能劇場 武蔵野市中町1-15-10
郷土芸能の保存・育成を目指して、昭和59年武蔵野市が開設した。やぐらと桟敷席をしつらえた芝居小屋風の小劇場である。建設のきっかけは糸あやつり人形「結城座」の保存を求めた市民運動だった。
結城座は寛永12年(1635)旗揚げの歴史を持つ伝統芸能。かつては市村・中村・河原崎の歌舞伎王座や手あやつりの薩摩座とともに浅草猿若町でやぐらを競った名門である。昭和23年からは吉祥寺に本拠を移し活動を続けていたが、昭和53年以降「建築基準法並びに興行場法に抵触」との理由から公演が不可能になっていた。
芸能劇場の完成で新たな活動の場を得た結城座は、昭和61年のヨーロッパ公演ではシェークスピアの『マクベス』に挑み、好評を博した。現在の座長は11代結城孫三郎氏。上記『マクベス』を始め新作では、人形遣い自身が一方で生身の役者を演ずるなど、実験的な舞台に取り組んでいる。
メインとなる小劇場は、伝統的な劇場様式を取り入れ、舞台に人形遣い用の中割足場が設けられたユニークなもので、芸能劇場ではこの他にもプロ・アマを問わず、演芸・演劇の場を一般に提供している。絵画や書道の展覧会や講演会、会議など多目的に使える小ホールもある。
開館時間:10時〜23時(3区分)
休館日:水曜日(祝日の場合は翌日) 年末年始
申し込み方法:直接劇場事務所へ
問合せ:0422-55-3500
●成蹊学園のけやき並木(新東京百景)
大正13年(1924)、成蹊学園が池袋より現地に移転した際に植えられたもの。同一樹齢の苗木を選んだといわれるだけあって、およそ100mに渡って連なる整然とした美しさは比類がない。
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