見どころ紹介

(3)田園調布並木散歩(自由が丘駅−沼部駅3.3Km)

九品仏浄真寺(くほんぶつじょうしんじ)
 創建は延宝6年(1678)。浄土宗。本堂には釈迦如来像、向いの上品(ほん)、中品、下品の3つの堂(三仏堂)にはそれぞれ3体ずつ、計9体の阿弥陀如来像が安置されており、これが九品仏の名の由来となっている。3年に一度、8月16日に催される「お面かぶり」(二十五菩薩来迎会)は全国でも珍しいお盆行事。釈尊入滅の折に25人の菩薩が人間界に降下した様を表す儀式で、三仏堂(極楽浄土)から本堂(現世)へと架けられた橋を、黄金の菩薩面を被った25人の信者がしずしずと渡り歩き、ご詠歌と鐘の音に包まれながら釈尊を来世へと迎え入れる。

●蒼穹(あおぞら)の像
 翼を持った自由の女神像。彫刻家澤田政廣氏の作で、昭和36年建立。改装なった自由が丘駅前広場の依然としてシンボルである。台座に刻まれた「あをそら」の文字は、由由が丘の駅名決定に尽力した舞踊家石井漠氏の筆。

●水生植物園
 水辺の環境にヒメスイレン、チャワンバス、ハナショウブなどが植えられている。野草園にはスズラン、サクラソウ。2、600株のアジサイ園もある。

●浅間神社
 文治年間(1185〜90)、出陣した源頼朝を追ってこの地を訪れた妻政子は、丘上から富士を望んで夫の無事を祈った。彼女の守り本尊が富士の浅間神社であったことが当初創建のきっかけという。祭神は木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)。下沼部村の氏神である。浅間信仰(富士信仰)の信者団体、富士講の拠点でもあった。

●東光院
 創建年は不詳。真言宗。寺に伝わる聖観世音菩薩立像は北条政子の念持仏という。

●密蔵院(庚申供養塔)
 創建年は不詳。真言宗。境内の庚申堂に安置された青面金剛立像は江戸初期の作と推定されるもので、沼部の庚申さまと崇拝され、近隣から訪れる参詣客も多かったという。

●多摩川台公園と亀甲山(かめのこうやま)古墳
 多摩川台公園は、眼下に大きくカーブを描く多摩川の流れが削り取った丘陵地で、海抜30m。富士、箱根、丹沢の山系を望む雄大な景観は、新東京百景の一つである。雑木林に覆われた広大な園内はおよそ4.8ha。その高台に位置する亀甲山古墳は、全長100mに及ぷ前方後円墳。都内でも最大級の古墳で5世紀頃の古代豪族の墓と推定される。この地に最大級の古墳があることは、ここが古代豪族の聖地であったことを意味し、国府が府中に定められる以前は武蔵国の中心地であったともいわれる。

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